カフェ、スナック等を開業したい2 風俗営業許可要件について

風俗営業許可の要件には以下の「人的(欠格)要件」「場所的要件」「構造的要件」があります。

人的(欠格)要件について

この人的要件は、申請者が個人の場合は「申請者個人」について、申請者が法人の場合は「監査役を含む役員全員」「管理者」の全てに適用されます。

・成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ないもの

・1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなってから5年経過していないもの

・風俗営業法第4条第2項各号に規定する罪を犯し1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなってから5年を経過していないもの

・風俗営業法第26条第1項等の規定により風俗営業等の許可が取り消されて5年を経過しないもの

・暴力団員構成員

・アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者 等

営業所の制限地域(場所的要件)

・住居集合地域(都市計画法に定める住居系用途地域)

・保全対象施設(学校は原則周囲100m内の区域、病院70m内の区域)

※商業地域、準工地域に緩和措置等あり

※特定遊興飲食店営業には、別途基準が設けられています。

営業所の構造、設備の技術上の基準(構造要件)

[1号営業 キャバレー、料理店、カフェ]

①客室の床面積は、料理店(和室)は1室9.5㎡以上、その他の社交飲食店については1室16.5㎡以上であることが必要です。ただし客室の数が1室のみの場合、この限りでない。(客室とは、接待や遊技等が行われる客の用に供する区画された場所をいう。)

②客室の内部が外部から容易に見通すことが出来ないものであること。

③客室の内部に見通しを妨げる設備がないこと

④善良の風俗等を害するおそれのある写真、広告物、装飾等の設備を設けないこと

⑤客室の出入口(営業所外に直接通じるものを除く)に施錠の設備を設けないこと

⑥営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること

⑦騒音又は振動の数値が、条例で定める数値に満たないように維持されるために必要な構造又は設備を有すること

[第2号営業 低照度飲食店]

①客室の床面積は、1室が5㎡以上であること(客を遊興させる態様の営業にあっては33㎡以上であること)

②第1号営業の許可要件②から⑦の基準を満たすこと

[第3号営業 区画席飲食店]

①長椅子その他の設備で専ら異性を同伴する客の休憩の用に供するものを設けないこと

②営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること

③第1号営業の許可要件②④⑤⑦の基準を満たすこと

※第4号営業、第5号営業、特定遊興飲食店営業については、省略します。

〇これらの風俗営業許可、特定遊興飲食店営業を取得するには、図面作成を含む多くの書類作成をする必要がありますので、専門家であるマエヒロ法務事務所にご用命ください。

 

今、話題の民泊について(簡単まとめ4)

民泊をマンションで実施しようとする場合、住宅宿泊事業者が届出時に添付書類として、民泊を認める管理規約の写し、又はマンション管理組合に民泊を禁止する意思がないことを確認した書類(理事会や総会において方針を決議することが必要)が省令で定められました。
以下に、マンション標準管理規約の例をあげます。

〇民泊を実施可能とする場合

第12条区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用することができる。

〇民泊を実施不可とする場合

第12条区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない。

民泊に関連するマンション管理規約の改正は、マエヒロ法務事務所にご相談ください。

民法の相続関係が大きく改正される予定

16日に開催された法制審議会 民法(相続部門)では、超高齢社会への対応として、次の改正案を盛り込んだ要綱案をまとめ公表しています。(法制審議会は、法務大臣の諮問機関であり、法改正の方向性を定める重要な機関です。)

配偶者居住権の創設 遺産分割の選択肢として配偶者が遺産の建物に終身一定期間住み続けられる「配偶者居住権」を創設

配偶者の居住の保護 配偶者が遺産対象の建物に住んでいる場合、遺産分割が終了するまでは無償で住めるようにする。

遺産分割時の配偶者保護 結婚20年以上の夫婦で、配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居は遺産分割の対象から除外

遺言制度見直し 自筆の遺言書を法務局で保管する制度を創設、自筆の遺言書に添付する財産目録は、自筆でなくても、パソコン作成可能とする

これからも、民法改正には目が離せませんね。