今回は、2020年以降40万人以上不足するといわれる介護労働者が不足するともいわれるが、平成29年11月に技能実習制度の対象職種として新たに追加された「介護」の要件を端的に整理する。
1 コミュニケーション能力 介護職種で技能実習を行うには、技能実習指導員や介護施設利用者とのコミュニケーション力が重要である。1年目は、N3程度が望ましいが、N4が程度が要件であり、2年目はN3が要件とされている。(N3:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる。N4:基本的な日本語をり理解することができる)。
2 実習実施者の対象範囲 介護の業務が現に行われている事業所(訪問系サービスは除く)、経営が一定程度安定している事業所として設立後3年を経過している事業所
3適切な実習体制の確保 受入れ人数は、事業所単位で、常勤介護職員総数に応じて設定、指導員を実習生5名につき1名選任、そのうち1名以上は介護福祉士等
4監理団体による監理徹底 監理団体の役職員に5年以上の実務経験を有する介護福祉士等を配置 優良要件は、介護職種における実績を基に判断
5移転対象となる業務内容 一定のコミュニケーション能力の習得、人間の尊厳や介護実践の考え方、社会のしくみ・心と体のしくみ等の理解に裏付けられた以下の業 ①必須業務 入浴、食事、排せつ等の解除等、②関連業務 身体介護以外の実践(掃除、洗濯、調理等)、間接業務(記録、申し送り等)③周辺業務その他(お知らせ等の掲示物の管理)
6適切な評価システムの構築 1年目 指示の下であれば、決められた手順に従って、基本的な介護を実践できるレベル、2年目 自ら、介護業務の基盤となる能力や考え方等に基づき、利用者の心身の状況に応じた介護を一定程度実践できるレベル 3年目 自ら、介護業務の基盤となる能力や考え方等に基づき、利用者の心身の状況に応じた介護を実践できるレベル
介護職種については、入国後研修において、日本語科目について240時間以上(N3取得者は80時間以上)、介護導入講習については、42時間以上の講義を行う必要があるが、入国前研修において、各科目について所定時間数の2分の1以上の講義を行った場合は、入国後講習において2分の1を上限として各科目の時間数を短縮できます。
また、今回、ご紹介したのは、介護業務の固有要件であり、技能実習制度本体の要件も、当然ながら満たしている必要があります。
以上です。次回は、在留資格「介護」の説明をします。
介護の技能実習生の受け入れ相談については、マエヒロ法務事務所にご相談ください。